「歯の内部吸収って知ってますか?」東京錦糸町イリタニオフィス顕微鏡専門歯科衛生士YU

  • 2024.03.01 Friday
  • 12:00

歯の内部吸収は、1830年Bell先生によって最初に報告されました。その後、1937年Soifer先生によって、この吸収は歯髄組織内から発症することが確認されました。歯の内部吸収の頻度は、一般的に上顎前歯部に多く見られるといわれています。歯の内部吸収の原因は、直接外部から歯髄に加わる慢性の軽微な刺激が歯髄の代謝障害を起こした結果、象牙質を吸収すると考えられています。この外部からの刺激として考えられていることは、急性・慢性の外傷や不適切な矯正力、う蝕、エナメル質形成不全、歯牙位置異常、修復物の化学的刺激、歯髄の慢性炎症、上行性歯髄炎、内分泌異常をはじめとする全身性疾患などが挙げられていますが、主たる原因はいまだ不明です。

 

先日、当院にメンテナンスに来ていただいている患者さんの前歯部にフィルテルが認められ、歯科用CBCTで撮影したところ、歯の内部吸収が認められました。

 

患者さんはその歯をほとんど削らないで治療してほしいとのことでした。また他院で歯冠を削らず治療をした症例があると教えていただきました。確かに、その症例は歯冠を残して根管治療を行っていましたが、一番咬合の負担のかかる犬歯が数年後、力の応力に耐えられているのわからないな〜と思いました。

 

 

歯科医院を探すときに重要なことは、歯科用マイクロスコープや歯科用CBCTがあることでなはく、それを使う歯科医師や歯科衛生士の技術や鋭い観察力があることです。さらに一番大切なことは同じ歯科医院に通い続けることです。治療前の歯の状態や治療過程を見てきた先生に、治療した後もその歯をずっと見てもらうことが大切です。ご参考までにどうぞ。

「歯科衛生士国家試験に歯科用コーンビームCTが出題されています」東京錦糸町イリタニオフィス顕微鏡専門歯科衛生士YU

  • 2024.02.12 Monday
  • 08:00

今年度の歯科衛生士国家試験は3月3日(日)です。学生の皆さんは今が一番辛い時期なのではないでしょうか。本番まで体調を整えながら無理しすぎず頑張って下さい。さて、2021年歯科衛生士国家試験の過去問で「歯科用コーンビームCT」の問題が出題されていました。

 

当院にも「歯科用コーンビームCT」があります。患者さんが歯の違和感や、痛みを訴えられた時、視診、触診、温度診、口内法X線撮影、歯科用顕微鏡での確認などと一緒に「歯科用コーンビームCT」を撮影することがほとんどです。他の診断では確認できなかったことが、CTの画像診断によって原因がわかることがあります。

 

では、2021年歯科衛生士国家試験に出題された問題をご紹介させていただきます。

 

問題

65歳男性。上顎左側中切歯の精査を行うためにエックス線写真を行った。撮影したエックス線写真をいかに示す。この画像が得られるのはどれか。1つ選べ。

(グッピーズ歯科衛生士より引用)

 

a  磁気共鳴装置

b 口腔内エックス線装置

c 歯科用コーンビームCT

d パノラマエックス線装置

 

 

 

 

 

正解はc 歯科用コーンビームCTです。

a 磁気共鳴装置は、MRIのことです。

d 歯科用コーンビームCTは歯、顎、顔面用に最適化されたCTで、様々な方向の断層像を3次元的に提供できることが特徴です。

 

 

〜歯科用コーンビームCT開発の歴史〜

口内法X線撮影は、重積像であることから複雑な歯や歯周組織の解剖学的な構造を3次元的に診断するのは困難でした。1972年X線CT(Computed Tomography)の開発に成功し、1980年代になると歯科大学病院へ医科用CTが普及していきました。これにより広範囲の炎症や腫瘍の3次元的な診断が可能となり、的確な診断と治療が行われるようになりましたが、微細な歯や歯周組織の観察に最適化されているとは言えませんでした。 

 

このような問題を解決するために、1990年代後半から新井先生方は歯科用コーンビームCTの研究を開始し、撮影領域を小さくすることで高画質と低被曝を両立する歯科用コーンビーム CTの開発を行い、1998年には日本大学歯学部付属歯科病院で臨床研究が開始されました。

 

 

 

 

 

「どうして根管治療が必要になるのか?」東京錦糸町イリタニオフィス顕微鏡専門歯科衛生士YU

  • 2024.02.05 Monday
  • 15:06

 歯の中には「歯髄」という神経や血管を含む組織があります。う蝕が進行し、歯髄が細菌感染すると歯髄炎を起こすことがあります。歯髄炎は神経の炎症のことで、冷たいもの温かいものを当てると痛みが生じます。痛みが原因で生活に支障がでる場合は神経を抜きます。これを神経をとるなど、抜髄といいます。

 

歯髄炎をそのまま放置しておくと歯髄壊死となり、神経が死んでいるので温度刺激による痛みはなくなります。また強く歯を打ったりすることで歯が歯髄壊死となることもあります。症状は温度を感じない、歯の色が変わってくるなどです。

 

歯髄壊死をそのまま放置しておくと歯槽骨の中まで炎症が進行し、根尖性歯周炎となります。レントゲンやCBCTで根尖に透過像が認められるようになり根尖病変といいます。噛むと痛い、膿が出る、たまに強い痛みを感じることがあります。歯髄壊死すると、歯髄を取り除く根管治療が必要になります。

 

さらに一度根管治療した歯も、根管内に残存していた細菌が原因で再感染することがあります。最初の根管治療でできる限り無菌的な治療を受けることが、歯の寿命に大きく左右します。ご参考までにどうぞ。

 

当院で行なった根管治療によって根尖病巣が消失し歯槽骨が再生された症例が紹介されています。ご興味ある方はどうぞ

→Iritani Osamu(@dent_photographer) • Instagram写真と動画 instagram.com

 

calendar

S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      
<< March 2024 >>

【イリタニオフィス】

東京超高画質マイクロCTスキャン顕微鏡歯科治療専門 初診受付03-5638-7438 9:00am~18:00pm (木・日曜日・祝日は休診)1日数名限定・完全予約制・全個室。同時並列診療なし。歯周病治療・根管治療・虫歯治療すべて顕微鏡歯科治療、ラバーダム防湿法。

医療スタッフ所属学会

selected entries

categories

archives

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM